【ぼったくり?】 なぜ金融業は儲かるのか? 利益構造を解説! 【生命保険業界編】

金融業界(銀行・証券・保険)の平均年収は他業界と比べて高水準です。業界のことを知らない方の中には「顧客から暴利を貪っているのでは!?」と思う方も多いようですが、実際のところはどうなのでしょうか?

この記事では、金融業界の中でも生命保険業界に焦点を絞って、生命保険会社の利益構造について解説していきます。なぜ生命保険会社は儲かるのか、この記事を読んでいただければ明らかになるでしょう。こちらは2~3回程度のシリーズになる予定です。【なお、別シリーズとして銀行・証券についても解説しますのでお見逃し無く!!】

生命保険に入っている方・偏見がある方・生命保険業界を志望する方は必見です!

目次

生命保険会社の利益構造 3つの「差益」

「なぜ生命保険会社は儲かるのか?」というのは多くの人の疑問だと思います。中々見えづらい部分でもあり、一般的に金融=儲かっているというイメージも強いですよね。まず押さえておきたいポイントは3つだけです。

生命保険会社には利益源が3つあります。これらは生命保険会社の「三利源」と呼ばれています。

生命保険会社の利益源 ~3つの「差益」~

・死差益
・利差益
・費差益

死差益(しさえき)

1つ目の利益源は「死差益」です。生命保険会社は、毎年「死亡保険金」「入院給付金」「年金支払い」などがどれくらい発生するか想定しています。

つまり、被保険者集団の中から一定の割合で亡くなる人が当然出てくるわけですが、その死亡率を統計的に想定し「想定死亡率」からいくらぐらいの保険金支払が発生するか見込を立てているわけです。

実際に、その「想定死亡率」よりも実際の数字が下回っている場合、保険金の支払いは少なくなるため差分が利益となります。これが「死差益」です。

利差益(りさえき)

2つ目の利益源は「利差益」です。利差益の「利」とは予定している運用利率のことを指します。

その予定している運用利率よりも実際の利率が上回った場合に生じる利益が「利差益」です。そんなに簡単に利率が良くなるのかという疑問があるかと思いますが、実は利差益を出すことは難しくありません。

良くある誤解に「保険会社は契約者の掛け金で不動産や株の運用している」というものがありますが、これは全く誤りで、金融庁の監視下で厳格なルールが定められています。

運用先はズバリ「国債」になります。残念ながら、不動産や株で運用することは必要以上に認められていません。これについては後ほど詳しく説明します。

保険会社は明確に商品の利率を提示しません。代わりに、「予定利率」という目安を商品ごとに設けています。この予定利率は国債の利率に準じて少し低めに設定されているため、大抵の場合は「利差益」が出る仕組みになっています。

費差益(ひさえき)

最後は「費差益」です。これは一般企業に通じるものがあるかと思いますが、想定していた事業経費よりも安く済んだ場合に発生する利益のことです。

事務所の維持管理費と言ったものが「費用」にあたりますが、それが予定よりも少なければ利益が出るということです。各保険会社の経費削減であったり「営業努力」の部分ですね。

「死差益」「利差益」についてもう少し詳しく掘り下げてみたいと思います。

「死差益」が生まれる仕組み

1.統計学を用いた緻密な商品設計

生命保険会社が販売している商品は適当に作っているわけではありません。生命表と呼ばれる統計データを用いて、アクチュアリーという資格を持った保険数理のスペシャリストが給付事由・給付内容・年齢・性別などによって保険会社の引受リスクを細かく分析した上で商品設計をしています。

そして、何よりも生命保険会社は勝手に設計した保険商品を売れるわけではなく、金融庁に問題ない商品かどうか御墨付をもらった上で商品リリースしているという点は見逃せません。

実は、極端に加入者に都合が良い([死差益の観点から]保険料が安すぎたり、[利差益の観点から]返戻率が高すぎる)保険商品は金融庁が販売を認めません。これは生命保険会社ひいてはその保険会社の顧客を守るため、国民のセーフティネットを脅かさないためです。

【重要なポイントなので後日別記事にまとめたいと思います。】

実際は、統計データの平均値よりも死亡率が高くなることもあるのである程度のバッファ(ゆらぎ)を見込んでいます。

例えば、「50歳・男性・健康状態に異常なし」の人を加入者として引き受けるリスクを計算し、それが保険料(掛け金)という数字となって出てくるわけです。

※生命表について詳しく知りたい方は、厚生労働省のホームページをご確認ください。↓↓↓

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/seimei/list54-57-01.html

2.「良質な加入者」を集める努力

これが最も生命保険会社にとって重要な仕組み、と言っても過言ではありません。

「健康面などにおいてどれだけ良質な加入者集団を形成できるか?」に全力を注ぎます。なぜなら、もし加入者集団の中に健康リスクの高い人達が沢山紛れ込んでしまったら、当然保険金や給付金を支払う可能性(リスク)が高くなってしまうからです。

質の悪い加入者集団を形成してしまうと、生命保険会社の健全な経営を脅かすだけではなく、相互扶助(助け合い)の仲間である他の加入者集団にとっても不公平な話になります。したがって、健康リスクの少ない加入者集団を集めて「死差益」を出すことが重要になるわけです。

保険会社は、保険外交員が契約者・被保険者に面談する際に「一次選択」というものを行います。見込客の外見・表情・態度・本人確認書類・健康診断結果・会話など諸々の情報から「怪しい人・不健康な人ではないか?」というチェックをしています。もちろん、理由は良質な加入者集団を作るためです。

更に、申込後は生命保険会社の診査部署が「環境査定」と「健康査定」を行って、問題がなければ晴れて契約が成立するという流れになります。

以上は、良質な加入者集団を形成するための一部に過ぎませんが、生命保険会社がかなり力を入れているのがわかりますよね。

3.長寿化

日本人の平均余命は年々長くなっています。平均余命とは、ある年齢の男性(もしくは女性)が一定の年齢まで生きる確率を示した統計値です。0歳の平均余命のことを「平均寿命」と言います。

日本人は男性・女性ともに長寿化の傾向にあり、近年では「人生100年時代」とも言われます。つまり、想定していた死亡率よりも長寿化によって実際の死亡率が低くなり(毎年低くなり続け)「死差益」が生じていた、というわけです。

「利差益」が生まれる仕組み

1.運用損失を出すことは原則認められない

誰に認められないかと言うと監督官庁である金融庁です。ですから、都市伝説のような「保険会社は株や不動産で運用している」というのはほぼ誤った情報になります。

生命保険会社はハイリスクの運用が法律で認められておらず規制があります(保険業法、保険業法施行規則)。なぜなら、仮に生命保険会社が運用に失敗して健全な経営ができなくなってしまうと社会のセーフティネット(相互扶助)が揺らいでしまうため、絶対に運用損失を出してはならないのです。

ちなみに、全く株や不動産で運用できないわけではありませんが、出資比率が決められており危険な運用は出来ないようになっています。また、一部では変額保険など「特別勘定」(一般の保険商品と分けて勘定する)を使う保険商品や外貨建保険などのように、加入者にリスクを負ってもらうことで「リスクのある運用もする」場合はあります。

2.運用先は主に確実な利益が見込める「国債」

中でも10年以上の超長期国債が主な運用先になります。個人向けではない10年を超える国債は当然短期のものと比べると金利が高くなります。したがって、機関投資家である生命保険会社はそこで利益を得られるわけです。

とは言うものの、近年では日本を中心にゼロ金利政策の影響で長期国債の金利も軒並み下がっています。莫大な運用資金の置き場をどうするか、今後の生命保険業界の課題となっています。

3.100%ではない契約の「継続率」

生命保険契約の継続率は、契約初年度から時間が経過する毎に徐々に下がっていきます。例えば、100件ある契約が1年後には95件(継続率95%)に減り、2年後90件(継続率90%)→5年後70件(継続率70%)→10年後55件(継続率55%)、という具合です。

加入者側の色々な事情で、契約が解約・失効などになってしまうことは意外と頻繁にあります。すると、生命保険会社の保険金支払い義務(リスク)が減りますので、保険金の支払いが無くなる分利益が出ます。

契約期間途中での解約・失効は加入者の得になることはあまりありません。特に、終身保険や養老保険などを払込期間満了前に解約・失効する場合は払った保険料(掛け金)よりも少なくなることがしばしばです。

解約・失効以外にも契約内容を見直す手段(減額、払済、変換など)はありますので、担当者や保険会社に相談すると良いでしょう。

「三利源」を知るだけで生命保険会社を見る目が変わる

私は勉強する以前は生命保険会社について全然詳しくなかったので、何となく「悪どいお金稼ぎでもしているのかな」という「思い込み」がありました。ですが、「三利源」について知った時にとても理に適った経営をしているんだなと妙に納得できました(笑)皆さんはいかがだったでしょうか?

次回は、「生命保険会社が潰れるとき」「保険外交員の高額報酬」などについて紹介したいと思います。続きをお楽しみに♪

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この記事を書いた人

こんにちは!
可愛い姉妹の子育て奮闘中のkanaです。
ネガティブな自分を払拭したい!
家族に元気を与える太陽のような存在でありたい!
そして夢を叶えたい!
欲張り主婦のブログです。

私自身、幼少期よりピアノ漬けの毎日でした。
独身時代は音楽教室にて講師として働き、ピアノ、エレクトーン、作曲、アンサンブルと多岐にわたり音楽が楽しいことを子供たちに伝えてきました。とても充実した日々を送ってきましたが、どうしても自分で子育てがしたいと退職を選び、今に至ります。
このブログでは音楽教育、子育てに纏わるブログを発信していきたいと思います。
一緒に夢を叶えたい!
HAPPYな毎日を共有したい!
このブログをきっかけに新しい自分に出会えることができたら嬉しいなと思います!

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